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中学教頭ブログ(2/24)

 北京冬季オリンピックが閉幕しました。日本選手の活躍は素晴らしく、特に女子カーリング競技にはくぎづけになったのではないでしょうか。藤澤五月選手のコメントがとても印象的でした。「こんなに悔しい思いをした表彰式は初めてです。」日本チームは予選リーグ5勝4敗で決勝トーナメントへの進出が危ぶまれました。普通の人ならば、決勝戦で敗れたとはいえ、銀メダルを獲得したわけですから喜びに溢れるはずです。頂点をめざしていたトップアスリートの思いが伝わってくるコメントでした。

 冬季オリンピックは今回で24回目の開催でした。ご存知の通り、日本では1972年に札幌大会、1998年に長野大会が開催されています。そして、2030年の第26回大会に札幌市が再び立候補しています。経済効果を見込んで、自治体としてはオリンピック招致が重要な政策の一つとなっているようです。

 コロナの影響もあって、オリンピックの開催地を毎回変えることに疑問を抱いています。

 特に東京オリンピック後の各施設の維持費を考えると、開催地を固定化しても良いのではという意見があってもおかしくありません。高校野球の聖地が甲子園球場であるのと同様に、オリンピックの聖地であるアテネを開催地に固定化するという案です。

 もう一つの意見として、競技施設の老朽化を考慮して2回連続の同一開催地もしくは隔回開催(8年間に2度の開催)を検討するのはどうでしょうか。バッハ会長には当然反対されると思いますが。

 オリンピックでの感動は、開催地に関係なく全世界に伝えられるはずです。SDGsが叫ばれている今日、招致活動を含めて10年以上の年月をオリンピック開催のために要するのはナンセンスだと私は思います。オリンピックの開催地を4年毎に変える必要性を感じません。政治評論家・橋本徹氏も私と同じ意見のようです。

高校教頭ブログ(2/18)

バナメイエビ

 唐突ですが……食卓に出されるエビ料理に多く使われているエビの名前を知っていますか?一昔前はブラックタイガーが主流でしたが、現在では、中国、東南アジアでのエビ養殖は「バナメイエビ」というものが主流となり、家庭料理で通常皆さんが口にしているエビは、そのバナメイエビなのです。
 東南アジアなどでのバナメイエビの養殖は、マングローブ林を伐採し、開拓してエビの養殖場にするとか、排水を垂れ流すなど、環境に負荷のかかる方法で行われてきました。ところが、最近「日本初、畑で無添加エビの養殖に鋸南町から挑戦」という謳い文句で、休耕地の農業用ハウスでのバナメイエビ養殖を手がける会社(株式会社SeasideConsulting)が立ち上げられました。「水質改善剤を一切使用しない完全無添加飼育」「循環システムで汚水の排水なし」という持続可能な養殖技術を用いているそうです。「エビの陸上養殖をSDGsで」という新たな試みに今後も注目です。

中学教頭ブログ(2/15)

 男子校とバレンタインデー。全く無縁のように思いますが、実はそうでもありません。生徒たちは意外と通学途中にチョコレートをゲットしているようです。私も高校時代は男子校に通っていましたが、チョコレートをもらうのを楽しみにして電車通学したものでした。

 2月14日に「女性が男性に愛を告白できる日」としてチョコレートを贈る習慣を根づかせたのは、チョコレート会社の策略です。欧米ではこの日に恋人や家族など大切な人に贈り物をする習慣がありましたが、決してチョコレートである必要はなかったのです。

 「義理チョコ」ではなく、「本命チョコ」をもらった経験は生涯忘れられない思い出です。

 小学校6年生のとき、カバンの中に「チョコ」が入っているのに気づきました。心臓がバクバクしていました。家に帰ってから箱を開けるのを楽しみに、友だちと会話をしていました。すると、私の様子の変化に気づいたのか、ある女性の先生がカバンを開けて私がもらった「本命チョコ」を取り出したのです。その当時、好意を抱いていた「笠原さん」からいただいたものでした。そして、周囲にいた仲間たちに見せびらかしたのです。驚きと怒りが同時に込み上げてきました。その先生の軽率な行為は教師になった自分に教訓として残っています。

 下駄箱の中にも「チョコ」が置いてありました。手渡しではお互いが恥ずかしい思いをすることを危惧しての方策だったのでしょう。学園ドラマのような話ですが、この頃の純粋な心は歳をとっても持ち続けたいものです。

 60歳になった今でも、チョコレートをもらうと何となく嬉しいものです。「義理チョコ」文化はコロナの影響もあって自粛の方向にあるようです。チョコレート会社の策略は思わぬ方向へと向かっています。「ホワイトデー」への影響も懸念されます。日本独自のバレンタイン文化はこれからも大切にすべきだと私は思います。

高校教頭ブログ(2/14)

涅槃会(ねはんえ)
 涅槃会は、仏教を開いたお釈迦様がお亡くなりになった日に修行される法要で、日本では2月15日に遺徳追慕と報恩のために行われます。実際は、お釈迦様が亡くなった日は不明ですが、日本と中国では2月15日と定められています。また、涅槃とは、本来は「迷いのなくなった境地(ニルヴァーナ)」のことですが、この場合はお釈迦様が亡くなった意味に用いられています。
 涅槃会の際に掲げられる「涅槃図」は、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下でお釈迦様が入滅される情景を描いた図のことです。ちなみに、遊行寺の涅槃図は、縦6m45cm、横3m64cmの大きなものです。多くの涅槃図では、宝台上にお釈迦様が「頭北面西右脇臥」の状態で横たわり、その周囲に会衆人物や鳥獣虫類が数多く集まり、悲嘆の様子が描かれています。また、樹上には飛雲に乗ってお釈迦様の臨終に馳せ参じようとする摩耶夫人(まやぶにん=お釈迦様の母上)の一行が描かれています。2/15に遊行寺本堂を覗くと「涅槃図」が掲げられていますので、どうぞ拝観してみて下さい。
 本題からは外れますが……「偉人が亡くなった日に生まれた」とか「偉人が亡くなった翌日に生まれた」ということで、「その偉人の生まれ変わり」がよく言われます。手元にある『令和4年時宗寳暦』の2月15日には、「釈尊ねはん会(ママ)」とともに、何と「一遍上人降誕会」とあるのです!また、2月16日には「日蓮聖人降誕会」とあります。それぞれの宗派においては、一遍上人も日蓮聖人も「お釈迦様の生まれ変わり」という“神格化”を望んだのかもしれません。

中学教頭ブログ(2/8)

 北京冬季オリンピックが開幕しました。オリンピック史上初めて夏季・冬季両大会が同じ都市で開催されることになりました。日本選手の活躍に期待したいと思います。

 東京オリンピックの際に、注目競技として「男子50km競歩」を取り上げました。今回の北京冬季オリンピックでは「バイアスロン」に興味が湧いています。「バイ+アスロン」とは「2つの+競技」という意味です。「トライアスロン」=「3つの競技」の方がよく知られていますね。

 その2つの競技とは、「クロスカントリースキー」と「ライフル射撃」を組み合わせたものです。1960年にアメリカのカリフォルニア州スコーバレーで行われた大会から正式種目となったそうです。その競技自体はフィギュアスケートのような華やかさは全く感じられません。非常に地味な競技です。

 「バイアスロン女子・個人」をテレビで観ていました。15kmのコースを走破するまでに4ヶ所の射撃場があります。「立射」と「伏射」を交互に行い、タイムを競うのです。1回の射撃につき5発を発射し、1回ミスをする毎にペナルティーとしてタイムが1分加算されるルールです。つまり、射撃回数は合計で20回あり、すべてミスをしてしまうとクロスカントリースキーのタイムに20分が加算されてしまうのです。

 「バイアスロン」は、観ていて決して楽しい競技ではありません。私たちの日常生活のあり方を考えさせる競技なのです。「動」と「静」のコンビネーションは、毎日の生活の中で私たちも体感しているのです。各選手は4km程の距離を滑った後に射撃場へと向かいます。息を切らしながら標的をねらう選手の姿が印象的です。呼吸を整え、集中力を高めないと的を射ることができません。体力だけでなく、精神力が求められる競技であることを知って興味が湧きました。

 自分が「バイアスロン」競技に参加したいとは思いませんが、この競技のルールは人生の縮図のような気がしてなりません。「動」いているばかりでなく、少し立ち止まって「静」かに考える時間が日常生活においても必要なのではないでしょうか。

 もしも、冬のオリンピック競技を体験できる機会があるとしたら、私は「ジャンプ競技」の「ラージヒル」に挑戦したいと思います。何も考えずに、鳥のごとくジャンプ台から飛び下りてみたいのです。札幌の大倉山シャンツェを訪れた際に、できるものなら一度は挑戦したいと思った次第です。

高校教頭ブログ(2/5)

大学校

 本校では、中学入試が終わり、来週は高校入試です。一方、本校の現役生・浪人生がチャレンジしている大学一般入試は、2月上旬にスタートし、3月半ば過ぎまでの長丁場で行われます。
 さて、「高校を卒業した者が専門的な高等教育を受ける文部科学省が所管する教育機関」を「大学」と呼びますが、大学と同等の学位を取得できる他省庁所管の「大学校」があるのを皆さんは知っているでしょうか。例えば、防衛省所管「防衛大学校,防衛医科大学校」、気象庁所管「気象大学校」、水産庁所管「水産大学校」などです。
 2月2日(水)朝のNHKラジオで、「海上保安大学校」の入学試験の学科試験が30年ぶりに変わるという話をしていました。海上保安大学校とは、広島県呉市に本部を置く、国土交通省所管の大学校で、海上保安庁の幹部職員の養成を目的に設置されているものです。海上保安大学校の学生は、一般職の国家公務員の身分なので(給料が出ます)、いわゆる入学試験は「採用試験」が正式呼称になります。「採用試験」の学科試験は、「数学・英語・物理または化学」でしたが、令和4年度採用試験から「数学及び英語についての筆記試験」に変更されます。この変更は、志願者増を目指していることもありますが、もう一つ大きな理由があるそうです。それは、外国船舶と相対する機会が増えているからで、例えば中国の海洋進出による尖閣諸島問題などへの対処が重要視された結果です。航海技術や通信技術習得のための「物理・化学」よりも、国際法の知識や語学力が今後はより重視されるのです。
 大学進学を目指す高2以下の皆さんは、文科省以外の省庁所管の「大学校」を選択肢の一つにするのもいいのではないでしょうか。

高校教頭ブログ(1/29)

遊行上人
 昨年12/18付「高校教頭ブログ」において、12月9日に遊行七十四代他阿真円上人がお亡くなりになったことをお知らせしました。世寿103歳という天寿を全うされた往生でした。遊行寺境内には今も「山主往生」の木札が2カ所に掲げられています。
 そして、先日1月6日に次のお上人が決まりました。「遊行七十五代(藤沢五十八世)他阿一浄(いちじょう)上人」です。どのような方かと言うと……何と藤嶺学園の東山勉理事長先生なのです!先日頂戴した就任御挨拶状には、「このたび宗門の推挙により 一月六日 遊行の法灯を相続し 時宗法主・遊行七十五代他阿一浄として登位致しました ただただその職務の重さを痛感いたしております」と書かれてありました。しばらくは、お上人と理事長を兼務なさるということです。3月1日の卒業証書授与式の「表彰の部」には、「時宗法主(ほっす)賞」というお上人から授与される賞があります。これまでは遊行寺のお役僧が代理で授与していましたが、間もなく迎える今年の卒業式では、「時宗法主賞」をお上人である理事長先生が手ずから授与することになるでしょう。大変ありがたいことと思います。

中学教頭ブログ(1/28)

 2月に行われる予定だった1・2年生のスキー教室が今年も中止となってしまいました。生徒たちにとって大変人気のある行事が2年連続で実施できないのは極めて残念でなりません。スキー教室に向けて事前練習に出掛けたご家庭もあるようようですが・・・。

 私が初めてスキー板をつけたのは高校2年生の時でした。夜行バスに揺られ、クラスの仲間たちと蔵王温泉スキー場に出掛けたことを覚えています。スキーブームがやってくる前の1980年頃のことでした。その後1987年に原田知世さん主演の「私をスキーに連れてって」という映画がブームを巻き起こし、1998年には長野オリンピックが開催され、スキー人口が過去最高の1,800万人に達しました。松任谷由美さん作曲の「恋人がサンタクロース」という挿入歌は今でも冬の街に流れています。

 ところが、2020年には最盛期の4分の1(430万人)までスキー人口は減少してしまったそうです。最大の要因は若者たちのスキー離れです。安定した収入が得られない若者たちにとって、スキーは贅沢なスポーツとなってしまいました。確かに、スキー用品を揃え、交通費、宿泊代さらにリフト代を加えるとかなりの高額になるのは事実です。

 逆に、コロナ禍以前には富裕層の外国人スキー客が増えていました。北海道のスキー場で、中国語が話せるインストラクターを養成しているテレビ番組を見たことがあります。北京での冬季オリンピックが近づいてきましたが、外国人にとって日本のスキー場の雪質は最高のようです。

 スキーの醍醐味は達成感が味わえるところにあると思います。私が初めてスキー板をつけたとき、思うように前進することができず、転倒の連続でした。「なんで、高いお金を払ってこんなところに来てしまったのだろう?」と後悔したのを覚えています。それが、2日目・3日目とコツを掴んでいくと、苦痛から快感へと気持ちが変化していきます。生徒たちもこの変化を自分の身体で感じ取れるので、「スキー教室」の人気が高いのでしょう。

 何をやるにしても、最初から思い通りに楽しめるものはありません。英語学習も同じです。苦労を乗り越えて初めて、楽しさが得られることを伝えていきたいと思います。来年は何としてでも「スキー教室」を実現して、生徒たちに刺激を与えられることを願っています。

中学教頭ブログ(1/24)

 大相撲一月場所が終わりました。千秋楽結びの一番で関脇・御嶽海関が横綱・照ノ富士関を破り3度目の優勝を果たしました。大関昇進が確実となったようです。おめでとうございます。

 相撲に関するテレビ番組を見ていたところ、新たな発見がありました。今回、御嶽海関が優勝するまでの6年間にわたり、一月場所の優勝力士はすべて初優勝だったそうです。加えて、年6回行われる本場所で、横綱が優勝した回数が一番少ないのが一月場所だそうです。強い力士でも一月場所を制するのは容易くないようです。

 2016年の琴奨菊関から始まり、稀勢の里関、栃ノ心関、玉鷲関、徳勝龍関、そして2021年優勝の大栄翔関と続きます。今年でついにその連続記録が途切れました。一月場所に思わぬ力士が優勝する背景にはやはり理由があるようです。年末から正月にかけて地位が高い関取ほど稽古を休むようです。そして、正月休みが終わると一週間ほどで一月場所が始まってしまいます。コンディション作りが大変なようです。

 琴奨菊関は、年末年始の休みを返上して稽古に励んだそうです。「みんなが休んでいる間に頑張れば道が開ける」という信念で、一月場所を迎えたのです。見事にその成果が花開いた一例です。

 「準備」が大切です。いきなり「本番」を迎えても良い結果は期待できません。サッカーの試合後、選手たちがインタビューで、しきりに「よい準備をして次の試合に」というフレーズを口にします。私も受験を控えた生徒たちに繰り返しアドバイスをしてきました。『第一志望校を受ける前に「準備」が必要。無駄だと思わずに受かりやすい大学から攻略せよ。そして、ピークを第一志望校受験の時にもっていこう!』と。プロ野球選手は2月からキャンプが始まり、公式戦が開幕するまでオープン戦を通して本番に備えます。プロ野球のオープン戦の意義を唱えると、私の助言に説得力が生まれるようです。

 いよいよ受験シーズン到来です。受験生のみなさん、コロナウイルスとの闘いもありますが、自分のピークを考えてコンディションを整えてください。最善の「準備」が、最高の「結果」をもたらしてくれるはずです。

高校教頭ブログ(1/22)

正五九

 皆さんは「正五九(しょうごく)」という言葉を見聞きしたことはありますか?これは、旧暦の「正月・五月・九月」のことです。正月が入っているのだから、めでたいことと関係があるのだろう、と思いますよね。ところが、「旧暦の正月と5月と9月との称。忌むべき月として結婚などを禁じ、災厄をはらうために神仏に参詣した。(広辞苑)」となっています。意外ですよね。その起源は、稲作農耕文化と関わりがあるらしいです。すなわち、1月は稲穂の成長を祈り、5月には田植えをし、9月は収穫を迎えるのです。したがって、稲作農耕文化にとって、「正五九」は極めて大切な月なのです。そこで、「正五九」には身を清めて神仏に参拝し、神仏のご加護を頂いて農事の安全と豊作を願ったということなのです。そういうわけで「正五九参り」が盛んに行われたことで、例えば、毎月17日か18日が観音様の縁日なのですが、特に「正五九」には盛大な縁日が催されることになったのです。私の寺にも観音様(如意輪観世音菩薩)がいらっしゃり、普通の月には参詣者はほとんどいませんが、「正五九」の17日にわざわざ参詣に訪れる信徒さんが20人ほどいらっしゃいます。
 ちなみに、1/21付「タウンニュース鎌倉」にNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連の記事が載りました。記事中の「仏像」は、弊寺所蔵の如意輪観世音菩薩像です。

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