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校長教頭ブログ

中学教頭ブログ(1/15)

 お正月料理に飽きた頃、ハンバーガーが食べたくなります。ハンバーガーにつきものなのがフライドポテト。小さな子どもからお年寄りまで「フライドポテトが嫌い」という人にお目にかかったことがありません。そのフライドポテトですが、日本マクドナルドでは北米圏での物流停滞のため、M・Lサイズの販売を中止するとのニュースが取り上げられるほどです。

 本校の食堂でも副食メニューとしてフライドポテトが販売されています。カップに入ったポテトが100円と低価格のせいか、よく売れています。平日だと60個程度、中学生が食堂を利用できる土曜日は160個程売れるそうです。食堂のシェフは、15㎏ものポテトを毎週土曜日に揚げていることになります。ラーメンだけでは物足りない生徒がフライドポテトを頬張っている光景を目にします。ラーメンとフライドポテトの組み合わせはあまりお勧めできませんが、人気のメニューです。

 ご存じの方も多いと思いますが、Fried Potatoesという表現は和製英語です。イギリスではChips。Fish and Chipsはよく知られていますね。アメリカではFrench Friesと呼ばれています。なぜ、Frenchがつくのか疑問に思う人が多いでしょう。フランス人が生み出したものではありません。その昔、ベルギーの人たちが小魚をフライにして食べるのを好んでいたようです。ところが、その小魚が不漁となり、代用品としてポテトが使われるようになったそうです。ベルギー人が生み出したその料理を見たアメリカ人が、フランス料理と勘違いしたみたいです。その時からFrench Friesと呼ばれるようになったそうです。勘違いから生まれた表現が未だに使われているのも不思議ですね。

 日本マクドナルドで販売されている商品名が「マックフライポテト」であることに最近気づきました。さらに日本人が作り出した表現であることが明白です。私も時々食べたくなることがありますが、「カリカリ派」ではなく「シナシナ派」です。少し柔らかくなったポテトの方が美味しく感じるのです。イトーヨーカ堂のフードコート内にある「ポッポ」というお店のFrench Friesも人気が高いようです。400円で「丼ぶりポテト」が楽しめます。ぜひ一度ご賞味ください。

高校教頭ブログ(1/14)

時宗月訓カレンダー

 1月も半ばを迎えています。今週末にはいよいよ大学入学共通テストが実施されます。「一般入試のスタート」と言えるこのテストの志願者は53万367人です。そのうち84.7%が「現役生」ということです。現役生はどうしても試験によって出来不出来の差が大きい、解答時間が足りない(特に英語)など、受験慣れしていないが故の不利がありますが、最終最後まで粘り強く取り組んで下さい。


 さて、新年にはカレンダーが掛け替えられ、新たな気持ちで日々を過ごしていることでしょう。私の席の傍らに「令和4年時宗月訓カレンダー」があります。「月訓」ですから、毎月ためになる言葉が載っています。例えば2月は「つらい日々も笑える日につながっている」、7月は「道に迷うことこそ道を知ることだ」、11月は「われ以外みなわが師」などです。このカレンダーを発行しているのは、「一般財団法人時宗総本山護持会」となっています。形態は「短冊形壁掛けカレンダー」です。まだ残部がありますので、在校生でご希望があれば、高校教頭林学まで申し出て下さい。

中学教頭ブログ(1/8)

 新年あけましておめでとうございます。2022年も「教頭ブログ」を継続してまいります。よろしくお願いいたします。

 初詣はお済でしょうか?私は例年、川崎大師に出かけますが、昨年と今年は自粛することにしました。もちろん、遊行寺への参詣は欠かしませんが、今年も遊行寺坂での箱根駅伝応援が自粛となり、三が日を外してのお参りをさせていただきました。お参りの際にはお賽銭を投じて願い事をするのが常ですが、「お賽銭」とは本来は祈願成就したお礼参りのしるしとして神仏に差し上げるお金とされていたそうです。

 みなさんはお賽銭の金額はいくらにするか決めていますか?ご縁があるようにという語呂合わせで「5円玉」や「50円玉」を絡める人が多いようです。逆に、「500円玉」はこれ以上高い硬貨(効果)は無いということで敬遠されるそうです。お賽銭というと「硬貨」というイメージがありますね。私もこれまでの人生の中で、「紙幣」を賽銭箱に投じた経験はありません。過去の参詣では二重にご縁がありますようにという気持ちを込めて「25円」にすることが多かったと思います。今年は「105円」にしました。あまり深い意味はありませんが、500円硬貨を避けると次に大きな金額は100円玉になるからです。

 ご存じの方も多いと思いますが、高校教頭の林先生は鎌倉市西御門にある来迎寺の住職でもあります。林先生曰く、「お賽銭は多ければ多いほど良い」そうです。「お賽銭」の本来の意味を考えれば当然ですね。要するに「お布施」の心得に準ずるものであるべきだからです。

 私が学校を引退する際は、感謝の気持ちを込めて遊行寺の賽銭箱に「硬貨」ではなく「紙幣」を投じたいと思います。一万円札が入ることは間違いありません。自分が藤嶺学園で長年にわたって教鞭を執れたのは、遊行寺のおかげなのですから。

高校教頭ブログ(1/5)

新年初ブログ
 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 朝は寒いものの、昼間は穏やかな新春となりました。この陽気のごとく今年1年が皆様にとって佳き年となるようお祈りします。
 さて、毎年元日の新聞各紙は、本篇の他に「別刷り」の折り込みをいくつか出すことが常です。本年元日の神奈川新聞別刷りの中に「県内企業や団体、法人のリーダーに今年1年への思いや抱負を聞く」というものがあり、各氏が2022年への思いを漢字四字で表現していましたので、藤嶺生や藤嶺藤沢にも有益であろう言葉のいくつかを紹介し、新年のご挨拶とします。

〇「桜梅桃李(おうばいとうり)」……「桜、梅、桃、李のそれぞれが独自の美しい花を咲かせるように、社員一人一人が個性を磨き、その能力を発揮し輝くことで、会社がさらに発展できる。」(株式会社エイト)
〇(造語)「活機応変」……「コロナ禍によるさまざまな変化に対して、それを機会と捉え自分にできることを見つけて取り組むよう心掛ける。」(神奈川県病院薬剤師会)
〇「随所作主(ずいしょさしゅ)」……周囲の環境に惑わされず、信念を持って主体的に取り組んでいくことの重要性を説いた禅語。どんな時代でも必ず困難はある。自分が主体者となってその困難を乗り越え、毎日必ず成長したいと思っている。」(キリンビール横浜支社)

高校教頭ブログ(12/28)

佳き新年をお迎え下さい

 2学期終業式が終わり、生徒の皆さんは少しホッとしていることでしょう。
 さて、先週の金曜日・土曜日は、クリスマス・イブとクリスマスでした(藤嶺は仏教校!)。今さら言うまでもありませんが、クリスマスは「キリストの降誕祭」で、フランス語ですと「ノエル」です。ところで、クリスマス・イブとは12/24のいつからだと思いますか?……それは「日没以降」なのです。すなわち、12/24の日没をスタートとして「クリスマス・イブ」は始まるのです。そして、それは「1日の始まりは日没」というユダヤ教における考えが影響しているようなのです。
 では、仏教ではどうでしょうか?浄土教においては、1日を6つに分けて(六時)、輪番制でお勤めをするということが行われていました。「六時」とは、「日没(にちもつ)」・「初夜」・「中夜」・「後夜」・「晨朝」・「日中(にっちゅう)」です。そうです、やはり「日没」がスタートなのです。これも日本において「1日の始まりは日没」という考えがあることに由来しています。これは単なる偶然でしょうか?そうは思えませんよね。もしかしたら古代インドあたりに、「1日の始まりは日没」という考えがあり、それが西方と東方に伝わっていったのかもしれません。(根拠はありません。誰か知っている人はいませんか?誰か調べてくれませんか?)。
 ちなみに、仏教を開いたお釈迦様の「降誕会(ごうたんえ)」はいつか知っていますか?……それは4月8日です。当日は「花御堂」を設えてお祝いをします。
 さて、今年もあと数日で暮れていきます。来年の干支は「壬寅(みずのえとら)」です。「壬寅」は、「厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となる」と言われているそうです。現状に当てはめると「コロナ禍を克服して、新たな時代が開かれる」というイメージでしょうか。皆さんの来年が「四大常安 禍変為福 家内安穏 諸願成就」の1年になることをお祈りして、年内最終のブログとします。皆様佳き新年をお迎え下さい。

高校教頭ブログ(12/22)

山主往生

 遊行寺四十八段を通って登下校している生徒の皆さんは、四十八段下の黒門付近に「山主往生」という木札が掲げられていることに気づいていることでしょう。「山主往生」=「さんしゅおうじょう」とはどんな意味でしょうか?先週のこのブログで時宗のお上人が亡くなったことを書きました。実は、時宗のお上人(遊行上人)は、遊行寺の住職を兼ねているのです。
 遊行上人は「生ける仏」として崇敬され、多くの信徒を率いて回国巡行(遊行)を続けましたが、晩年に遊行を続けることが困難になると、引退して遊行寺(清浄光寺)に住むようになり「藤沢(とうたく)上人」と呼ばれ、鎌倉時代末以降藤沢上人が没すると回国中の遊行上人はその地位を後継者に譲って遊行寺(清浄光寺)に入り、藤沢上人を継ぐのが時宗の慣例となったのです。そして、現在は、遊行上人になると同時に藤沢上人(遊行寺住職)にもなるということになっています。
「山主」とは「お寺の住職」であり、「往生」とは「極楽往生」のことで「亡くなること」を意味します。したがいまして、四十八段下の「山主往生」は遊行寺の住職が亡くなったことを知らせる札なのです。遊行七十四代他阿真円上人は、五十七世藤沢上人(遊行寺住職)でもあったのです。

高校教頭ブログ(12/18)

遊行七十四代他阿真円上人遷化

 藤嶺藤沢は「仏教系男子校」です。「仏教系」の学校は、いわゆる「宗門校」が多く、本校は「時宗唯一の宗門校」にあたります。時宗は、鎌倉時代の僧侶で「捨聖(すてひじり)」と言われた一遍上人が、文永11年(1274年)熊野本宮参籠の折、阿弥陀如来の垂迹身とされる熊野権現から衆生済度のための夢告を受けたことが始まりです。爾来、幾多の苦節・困難・曲折を経て、現在まで歴代遊行上人により時宗の教えは脈々と受け継がれています。
 現在の、これはすでに不正確な表現になってしまいましたが、遊行上人は「遊行七十四代他阿真円上人」です。一遍上人から数えて七十四代目となるお上人でありましたが、去る12月9日未明に102歳で遷化(高僧の死去のこと)されました。真円上人は、平成15年(2003年)に遊行上人となり、以来18年にわたりその地位にありました。真円上人が遊行上人になる際の「晋山式」では、藤嶺藤沢中1期生と2期生が、他の多くの方々とともに遊行寺境内にて上人をお出迎えしたことが思い出されます。
 真円上人には、しばらく安らかにお休みになられた後、還来穢国されて再びわれわれを見守って下さることを心より願います。

中学教頭ブログ(12/17)

 年賀状の受付が15日より始まりました。今年の年賀状の発行枚数は18億2000万枚だそうです。単純に計算すると、一人あたり15枚の年賀状を出すことになります。最も発行枚数が多かったのは2003年の44億5000万枚で、一人あたりに換算すると35枚になります。つまり、この20年間で2分の1以下まで落ち込んでしまったことになります。

 メールやSNSの普及が年賀状発行枚数減少の最大の要因ですが、それだけではないようです。1枚63円の年賀はがきを購入して投函する煩わしさや個人情報保護の観点から送りたい相手の住所が分からないという理由などが挙げられます。このまま年賀状文化が消滅してしまうのではないかと憂いてしまいます。

 お年玉つき年賀はがきが登場したのは昭和24年。「年賀状が戦前のように復活すれば、お互いの消息が分かり合える。」という思いからお年玉つきのアイデアが採用されたのです。

 私は知りませんでしたが、今度のお年玉の一等は現金で30万円、電子マネーで31万円がもらえるそうです。今まで切手シートしか当たったことがありませんでしたので、商品には関心がありませんでした。「現金に勝るものはなし」との判断なのでしょう。

 新年のご挨拶がメールでは趣がないし、失礼にあたると考えてしまいます。私は今年も年賀はがきをポストに投函します。ちなみに、現在の郵便ポスト(正式には郵便差出箱)は、本校の卒業生である石川弘先生(千葉大学名誉教授)のデザインが採用されているそうです。

 今年度からスタートした「中学教頭ブログ」も今回で第30号を数えました。実を言うと、高校教頭の発案で仕方なく始めた企画でした。予想以上に多くの方々に読んでいただきました。自分自身のアンテナを張り巡らせて生活する意識も高まりました。ありがとうございました。年内はこれが最終号となります。みなさま、良いお年をお迎えくださいませ。

高校教頭ブログ(12/11)

ペットボトル

 現在の環境上の大きな問題として、ペットボトル・食品トレー・レジ袋といった「使い捨て」のプラスチック製品が大量に作られ、大量に捨てられていることで、プラスチックごみが増加していることがあります。そして、このような「使い捨て」のプラスチック製品を減らすための取り組みが、世界中で活発になっています。
 サントリーホールディングス(HD)は、100%植物由来で原料に食物も使わないペットボトルを開発したという発表をしました。サトウキビの搾りかすと木のチップを利用し、トウモロコシなどの食物は使わないものです。同じ植物由来でも、食物不使用のペットボトルは世界初だということです。
 従来の植物由来のペットボトルは、原料にトウモロコシなどの食物も使用しており、食料価格の上昇につながるとの懸念もありましたが、今回の「植物由来かつ食物不使用ペットボトル」は、米新興企業「アネロテック」と共同開発したもので、製造コストや原料の調達先などを検討した上で、2030年までの導入を目指しています。
 サントリーHDはすでに一部のボトルで植物由来の原料を30%使用しており、2030年までに、使用するすべてのボトルをリサイクル素材か、植物由来の素材を利用したものとすることを掲げています。
 私たちの生活に必要不可欠となっているプラスチック容器は機能性も高く便利である一方、使用後にゴミとして捨てられることでエネルギー資源問題、地球温暖化問題、ゴミ処理問題、海洋プラスチック問題など様々な問題につながります。容器を生産する企業も、それらを使う消費者も、環境に寄り添うことが求められています。

中学教頭ブログ(12/10)

 今年の新語・流行語大賞は「リアル二刀流/ショータイム」に決まりました。大谷翔平選手の活躍は、野球に興味のない人にとっても大変うれしいかぎりです。大谷選手を将来の夫にしたいと考えている日本人女性が何人いるのか、アンケート調査でもしてみたい気持ちです。

 本校硬式野球部のOBにも二刀流で活躍している選手がいることをご存じでしょうか。日本体育大学3年生・矢澤宏太選手です。来年のドラフト候補No.1に挙げられているようです。球速は150km、50m走は5秒80の俊足で、打順は4番。優れた才能の持ち主であることは間違いありません。本校在学中も注目されていた選手でした。甲子園出場を想定して、準備を進めていたことを思い出します。

 しかし、3年前のドラフト会議は思い出したくありません。多くの報道陣が100周年記念会館に集まり、矢澤選手の指名を待ち構えていたのです。学生食堂に集まった教員も生徒たちも矢澤選手が指名されることを疑いませんでした。問題は何位に指名されるかだけだと思っていました。新聞社の方も太鼓判を押していたのです。

 一巡目、二巡目、三巡目とドラフト会議が進行していきます。矢澤君の名前が呼ばれません。高校生選手だから、上位指名は無理なのだろうと高をくくっていました。進行役の人の声が胸に突き刺さります。六巡目が終わる頃になると、「読売・・・選択終了!」の声が会場内に響き渡るのです。ため息が漏れます。あの時ほどドラフト会議の残酷さを痛感したことはありません。結局、矢澤選手は指名されませんでした。取材陣が残ったまま、ご両親とともに挨拶をされました。4年後には1位指名されるよう、全力を尽くすとの決意を表明してくれました。自然と涙がこぼれ落ちたのを覚えています。

 来年のドラフト会議では、たくさんの球団から1位指名された矢澤選手の笑顔が見られることを願っています。そして、第二の大谷翔平をめざして日本のプロ野球界を盛り上げる存在になってくれるものと信じています。みなさんの応援よろしくお願いいたします。