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校長教頭ブログ

高校教頭ブログ(4/28)

Boys,be ambitious!
去る4月16日は「ボーイズビーアンビシャスデー」でした。
これは、札幌農学校(現:北海道大学農学部)の基礎を築いた教頭クラーク博士(1826~1886年)が、1877年(明治10年)のこの日「Boys, be ambitious.(少年よ、大志を抱け)」という有名な言葉を残して北海道を去り、アメリカに帰国したことに由来します。20120829_092343クラーク博士は、マサチューセッツ農科大学の1年間の休暇を利用して訪日するという形をとり、1876年(明治9年)7月に札幌農学校教頭に赴任。博士はマサチューセッツ農科大学のカリキュラムをほぼそのまま札幌農学校に移植して、諸科学を統合した全人的な言語中心のカリキュラムを導入。明治政府(開拓使)は欧米の大学と遜色ないカリキュラムを採る札幌農学校に、国内で初めて学士の称号を授与する権限を与えたそうです。
クラーク博士は自ら模範となり、学生を鼓舞激励するだけでなく、マサチューセッツ農科大学の教え子から生え抜きを後継者に据えて規律及び諸活動に厳格かつ高度な標準を作り出し、学生の自律的学習を促しました。そして、9ヶ月の札幌滞在の後、翌年の1877年5月に離日したとのことです。
さて、この“Boys,be ambitious!”は、クラーク博士に師事した学生が離別の思いを綴った漢詩を逆翻訳したものであるとか、“Boys, be ambitious like this old man.(「この老人(=私=クラーク博士)のように、あなたたち若い人も野心的であれ」)”の一部であるとか、“Boys, be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.”(少年よ、大志を抱け。しかしお金を求める大志であってはならない。利己心を求める大志であってはならない。名声という浮ついたものを求める大志であってはならない。人間としてあるべき全ての物を求める大志を抱きたまえ。)と言われたのだ、という説もあるそうです。いずれにしても、“Boys, be ambitious!”は、高校生の皆さんが常に心に置いておくべき金言と言えるでしょう。

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中学教頭ブログ(4/27)

新型コロナウイルス感染拡大により、飲食業を営んでいる方々は売上げを少しでも伸ばそうと懸命に努力されています。店内での飲食だけでなく、テイクアウト商品の開発にも力を注いでいるのです。

先日、折込チラシの中にうどんチェーン店の広告が入っていました。私の目を引いたのは「うどん弁当」という商品名でした。「弁当」と言うと、どうしても「ごはん」を連想しがちです。「うどん+弁当」というネーミングが購買意欲を掻き立て、我が家の昨晩の夕食はこの「うどん弁当」となりました。冷たいうどんに、えび天、とり天、卵焼き、そしてなんと、きんぴらごぼうが入って価格は500円程度。食してみると、予想を覆す味のハーモニーに感動すら覚えました。

藤嶺学園藤沢中学校は、開校以来「受験があってもなくても勉強する学校」づくりに励んでいます。

「うどん弁当」よりはインパクトが弱いかもしれませんが、興味のある方はぜひ本校のカリキュラムを覗いてみてください。新たな発見に出会えるかも知れません。受験に必要であろうとなかろうと、「学ぶ」姿勢を大切にする学校です。

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校長ブログ(4/26)

令和3年度 中学1年生オリエンテーション 校長講話より

 

 (1)人からの評価  ~ポジティブな思考や行動を生む~

 芥川が「羅生門」書いたのは、東京帝国大学在学中でありました。発表当時、周囲からは酷評を受けていました。翌年、小説「鼻」を発表、夏目漱石は、漱石山房に顔を出していた芥川の作品を高く評価しました。この評価を得て、芥川は大正文壇の寵児となっていくのです。

 褒められる、評価されることで、人はポジティブな思考や行動を行えるようになります。評価されるということは、何も特別な才能があると言うことではなく、身近な日常にもあります。(ご挨拶、掃除、授業態度、ノートの取り方、話す態度、聞く姿勢など、一生懸命なことに、人は共感をして、評価してくれるのです。)

 

(2)ものごとの判断  ~自分の頭で考える~

本居宣長が自画像に寄せた歌。(61歳)

       敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花

(大和心とは何か)を人がたずねたなら、(それは)朝の日の光をあびて咲き匂っている山桜の花(のようなもの)だよ。

日本人のこころ、和魂とは日本固有の精神であり、ありのままの素直な心といわれています。また、清楚で清らかな心でもあります。

ところが、太平洋戦争中には、この歌は曲解・利用されて「神風特攻隊」の部隊名に使われてしまいました。隊は「敷島」「大和」「朝日」「山桜」と名付けられ、愛国主義の表象となってしまいました。

このことで、みなさんに伝えたいことは、令和の国際社会で、価値というものの判断は非常に難しいものになっていきます。だからこそ、中学1年生から基礎基本の勉強にしっかりと取り組み、自分の頭で考えることがいかに大切かと言うことに気づいてほしいということです。

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高校教頭ブログ(4/23)

朝の検温
生徒の皆さんは、自宅で検温と健康観察を行い、Classi上の健康観察カードに記入してから登校することになっていますが、学校でも毎朝高校昇降口で登校時の検温と手指消毒を行っています。今朝は昇降口前の藪からウグイスのさえずりを聞きながらの検温でした(いい学校だなぁ~)。
さて、昇降口で検温と手指消毒の立ち番をしている際には、生徒の皆さんに先生方が「おはよう!」「おはようございます!」と声かけをしています。生徒の皆さんの中には、元気よく自分から挨拶をしてくれる人、気持ちのいい挨拶を返してくれる人、爽やかな挨拶に笑顔も添えてくれる人、小さな声だけどしっかり挨拶してくれる人などがいます。しかし一方で、「無言の人」もいます。多分、いろいろな理由があるのでしょう。例えば、体調が悪い、機嫌が悪い、挨拶をする気にならない、朝から坂をたくさん上ってヘトヘトなど……。でも、頑張って挨拶をすることで、テンションが上がったり、気分が晴れたり、やる気が出たり、頑張ろうと思えたり、挨拶にはいろいろな効用があると思うのです。
次のような挨拶の効用を挙げる人がいますので、参考にして下さい。
 ○気持ちいい!と感じられる。
 ○自然と笑顔を増やしてくれる。
 ○人間関係を改善してくれる。
 ○「常識がある人」という評価をもらえる。
 ○人と会話する機会も増える。
 ○リスクはゼロ。必要なものは何もない。

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中学教頭ブログ(4/22)

4月18日(日)に行われた春季剣道連盟藤沢市大会において、本校剣道部が男子団体の部で優勝を果たしました。中学校創立21年目でつかんだ初めてのタイトルです。過去に個人競技での市内大会優勝はあったものの、団体競技では今回が初めてとなります。特に、個人戦ではベスト16で敗れた選手たちが、一念発起して団体戦に臨んだ結果が優勝まで辿り着いてくれたことを大変うれしく思います。本校では中学1年生から高校2年生まで武道の授業に剣道を取り入れています。公立中学校ほど練習時間を確保できない私学としては、効率的な稽古が実を結んだことに自信が持てるようになりました。今後も剣道部諸君の活躍に期待しています。

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高校教頭ブログ(4/17)

美しい振る舞い
先日、男子プロゴルフの松山英樹選手が日本男子で初めて米マスターズ・トーナメントを制覇したことは多くの人が見聞きしたニュースでしょう。それがどれほどの「偉業」であるかは、各メディアで報じられています。
それと同時に、松山選手を支えた早藤将太キャディーの行動も話題を呼んでいるそうです。松山選手優勝決定後、最終18番のグリーンでピンをカップに戻した後、脱帽してコースに向かって一礼をしたというのです。
日本人らしいこのシーンを映した動画が米メディアのSNSなどで反響を呼び、「コースに敬意を示す素晴らしい振る舞いだ」などと称賛の声が上がったそうです。
文化というものは、大きく見ると各国、各地域、各民族に存在し、世代を超えて伝承されています。
もちろん、時代によって文化は変化を伴って伝えられるものであり、伝えられないこともあるものです。
したがって、長い間変わらずに伝えられる文化は希有だということも事実でしょう。
そして、各国間、各地域間、各民族間で相容れない文化が存在することも確かですが、「美しい文化」は国を超えて、地域を越えて、民族を超えて評価されるものだということです。
日本人の文化に根ざした「美しい振る舞い」がしばしば世界で話題になることがあるのは、そのような理由であると思います。
今回、早藤将太キャディーの振る舞いが評判を呼んだことは、日本人として大変嬉しい限りです。

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校長ブログ(4/17)

令和3年度 校内一泊合宿入所式 学校長挨拶 

 この校内一泊合宿は、40年以上の歴史のある藤嶺藤沢の伝統行事であります。コロナ禍で宿泊は出来ませんが、大塚達雄老師から授かるお教えは、変わることはありません。法話、坐禅と日本の作法、食事作法など、随所に自己を整えるお教えがあります。新入生諸君一人一人がこの合宿を経て、藤嶺学園藤沢高等学校の生徒としてしっかりと自立をし、主体的に行動が出来るようになって欲しいと思います。また、この合宿では、諸君の3年間の学習、クラブ活動、学校行事などに如何に取り組むべきか、その指針を学ぶことになります。

 高校生の本分である勉強において、基礎基本の学習をしっかりと修め、各教科の学びを深め、学んだ知識、技能を活用できるようになって下さい。高校1年生に配布されるシラバスをしっかりと読み、自分が学ぶことは何かを明らかにして、一日一日を充実させる大切さを認識して欲しいと思います。

 一つ一つの学校行事には、大きな意味があります。意味があるからこそ、毎年行われ続けて、それが伝統の行事になっていくのです。40年以上続けられてきたこの校内一泊合宿はその代表と言えます。この合宿の歴史は、学校の歴史でもありますが、藤嶺藤沢に在籍する生徒一人一人、卒業生一人一人の歴史でもあります。そして、この合宿の目的には、質実剛健・勇猛精進の体得とあります。しかしそれは、この合宿で、そのスタートに立つということです。この高校3年間の折々に、どこまでを体得できたかと自問を重ねていってください。

 最後に、夏目漱石から芥川龍之介へ送られた小説『鼻』についての話をします。その手紙には、「あなたのものは大変面白いと思います。落ち着きがあって、巫山戯(ふざけ)ていなくって、自然そのままの可笑味(おかしみ)が、おっとり出ている所に上品な趣があります。それから材料が非常に新しいのが眼につきます。文章が要領を得てよく整っています。敬服致しました。ああいうものをこれから二三十並べてご覧なさい。文壇で類のない作家になれます。しかし『鼻』だけでは恐らく多数の人々の眼に触れないでしょう。触れてもみんなが黙過するでしょう。そんな事に頓着しないでずんずん御進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です。」とあります。

芥川が「羅生門」を書いたのは、東京帝国大学在学中でありました。発表当時、周囲からは酷評を受けていました。翌年、小説『鼻』を発表すると、夏目漱石は、漱石山房に顔を出していた芥川の作品を高く評価しました。この評価を得て、芥川は大正文壇の寵児となっていくのです。すなわち、褒められること、評価されることで、人はポジティブな思考や行動を行えるようになるのです。

皆さんが評価される場面は、実は身近な日常にあります。挨拶、掃除、授業態度、ノートの取り方、話す態度、聞く姿勢など、一生懸命なことに人は共感をして、評価してくれるということです。この合宿がそれらの基礎作りとなるよう期待しています。

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