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校長教頭ブログ

校長ブログ(5/21)

5月21日 小満 ・ 校長閑話

 

 5月17日(月)からは、雨の日が多かったですね。沖縄や奄美地方が梅雨に入ると、本州南岸に前線が停滞することがあります。このようなお天気のことを「走り梅雨」といいます。お天気が回復して本格的な梅雨を迎える年もあれば、「走り梅雨」がそのまま続いて「梅雨入り」という年もあります。令和3年はどうでしょうか。

 5月21日(金)は二十四節気「小満」でした。「小満」って何?と思う人も多いと思います。「陽気がよくなり、すべてのものが成長する。そんな気が徐々にひろがり、天地に満ち始める」ことから「小満」といわれています。中学1年生から高校2年生までは、中間試験が終わりました。高校3年生は、これからですね。定期試験は年間5回ありますが、一年間の学習が5分割されています。竹に節があるように分割された内容が一区切りすると次のステージへ進むわけです。コロナ禍で時差登校・短縮授業が続きますが、集中力をもって、一日一日、成長して欲しいと思います。5月から6月へみなさん自身が「小満」のように、学校生活を送ってください。

 「小満」の時期に、蚕が飼われます。蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)私は、小学校時代、山梨県で暮らしていました。父親は会社員で特に畑や田んぼはなかったのですが、周囲の友人の家はほぼ農家でした。最近では養蚕農家はめっきり減ってしまいましたが、私の小学校時代は、まだまだお蚕を育てていました。蔵や長屋、家のなかでも蚕を育てる農家が普通でした。蚕は、桑の葉を与えられ、それを黙々と食べて育つのです。桑の葉を食べる蚕ですが、たくさんの蚕が一斉に食べると音がするのです。虫が葉を食べるときに音がするのかなと思うかもしれませんが、静まりかえった蚕室に「ミシミシミシ…」「ミシミシミシ…」と不思議な音を立てるのです。すこし不気味な感じでしたが、その音は今でも覚えています。

中学教頭ブログ(5/20)

 今回は、牛丼にまつわる話を除いた大学時代の生活をご紹介します。

 貧乏学生だった私は海外留学する余裕がなく、英語サークル(E.S.S.)に所属して英会話力を伸ばすしか方法が見つかりませんでした。中高時代に英会話の授業は皆無で、ネイティブスピーカーに初めて出会えたのは大学1年の時でした。とは言え、1クラス50名もいる英会話の授業では効果は期待できず、E.S.S.の門を叩いた訳です。「Noon」と呼ばれる昼の活動で1日がスタート。日本人学生が1つの教室に集まり、英語で会話練習を繰り返します。午後の授業が終わると、学生会館に集まり部門ごとの活動が始まります。ディベートやディスカッションなど。私は、スピーチセクションでの活動に参加しました。

 圧巻は、野尻湖で行われた夏合宿です。朝起きてから夜寝るまで、日本人同士が英語のみを使って生活します。外国人の姿はありません。一種の新興宗教団体のように見られても仕方のない活動風景がそこにはありました。合宿の最終日が近づくと、偉そうにしたOB、OGがやってきます。礼儀正しく接しなければ大変なことになります。まさに、体育会系文化部と言っても過言ではありませんでした。牛丼店での体験と、このE.S.S.での経験が今の自分を作り上げてくれたものと今では大変感謝をしています。

 今日の学校の英語教育を見ると、羨ましい限りです。藤嶺藤沢にはネイティブの先生が4人もいます。オンラインでの英会話はまだ導入していませんが、話す機会はたくさんあります。どんなに環境が整っていても、そこに「意志」が存在しないと実績には繋がらないことを学生時代に実感してきました。

 Where there is a will, there is a way. 卒業生たちにはいつもこの言葉を贈っています。

高校教頭ブログ(5/17)

 「藤嶺台」に立つ本校は、空気が澄んだ日には富士山がとてもよく見えます。すなわち、西の方角が開けているということです。
 先日の5/12が「新月」、5/14が「三日月」(日没後の西の低い空に見えます)でした。その三日月の日、19時頃帰宅のため校舎を出て西の空の三日月を見ようとしたところ……車止めに躓き、何と転んでしまったのです。両手に荷物を持っていましたが、(まだ若いので!?)咄嗟に荷物を手放し、両手のひらを地面につくことができたので、幸いにも大したことはありませんでした……と思っていました。ところが、ぶつけた訳でもないのにしばらくすると体側の肋骨付近が痛くなってきたのです。翌日、翌々日……徐々に痛みが増しています。
 「アラ還」になると、どうやら「頭の中の身体の動きのイメージ」と「実際の身体の動き」にズレが生じてくるようです。生徒の皆さんは、「今日できないことが明日できるようになる」という「成長の毎日」ですが、「アラ還」は「今日できることが明日できなくなる」かもしれないという不安の中の毎日なのです。
 5/20が「上弦」、5/26が満月です……躓かないように、転ばないようにお月様を眺めたいと思います。

校長ブログ(5/16)

5月15日 ・ 校長閑話

 

 5月15日(土)女流タイトル戦第14回マイナビ女子オープン五番勝負、第3局が、時宗総本山遊行寺の貴賓室で開催されました。第13期女王 西山朋佳 対 女流三段 伊藤沙恵の対局で、コロナ禍以前から藤沢市観光協会の方から、本校の講堂兼体育館を対局の一般公開の会場とさせてもらえないかというお話があり、「ふじさわ観光親善大使」のつるの剛士氏、将棋親善大使の伊藤かりんさんやプロ棋士の木村一基九段、戸辺誠七段による大盤解説の会場となる予定でした。コロナ拡散の状況下で、会場使用の話しは、中止となりましたが、本校の囲碁将棋同好会の諸君はお手伝いとして、参加させてもらえました。同好会の諸君は、中学1年生の時から江ノ島春祭りの将棋イベントのお手伝いをしてきました。今年で6年目になります。

 さて、対局は10時、西山女王の先手で始まりました。貴賓室には新緑の中、ウグイスが美しい音色を奏でていましたが、初手が打たれると、不思議な静寂が辺りを包み込んでいました。観光協会のご配慮で、初めて女流タイトル戦に立ち会うことができました。これも、囲碁将棋同好会の諸君が毎年、江ノ島の将棋イベントをサポートしてきたご縁によるものだと思います。感謝いたします。貴賓室の前には小さな菖蒲園があり、花菖蒲が毎年、きれいに咲きます。今日はまだ時期が早かったようで、まだ咲いてはいませんでしたが、見頃になったら、また訪れたいと思います。

中学教頭ブログ(5/15)

 今回も「牛丼」がテーマです。

 大学時代は真剣にサークル活動に打ち込んでしまいました。英語が話せるようになりたいという一心からE.S.Sに所属しました。夜遅くまで活動することがしばしばだったので、小遣いを稼ぐために深夜の牛丼店で働くことになったのです。23時~8時までの勤務。休憩の1時間を挟んでアルバイトだけで店を切り盛りする訳です。夜の牛丼店にはスリルがあります。商品にケチをつける客、終電に乗り遅れてしまった客、泥酔して寝込んでしまう客、無銭飲食を試みようとする客。警察官の出動を要請することも結構ありました。振り返ってみると、この時学んだ他人との接し方が、今の自分を作ってくれたような気がします。経験を積んだだけ人間は大きくなれると思っています。中高一貫校のメリットとはこの点にあるのではないでしょうか。生徒たちには、高校受験を気にすることなく様々な経験をしてもらいたいものです。

 海外への進出を考えているということで、正社員に勧誘されました。さすがの私でも躊躇してしまいました。経験豊かな先輩からのアドバイスを受け、教師の道をめざしたのです。今では、その牛丼チェーン店は、海外進出どころか国内の店舗も姿を消してしまいました。

高校教頭ブログ(5/10)

「マスク顔」
 コロナ禍が1年以上も続き、家から一歩出るとマスクをつけていることが常となっています。旧知の間柄ではなく、昨年知り合った人とは常にマスクをした状態でしか顔を合わせたことがない、ということもあるかもしれません。そして、何かの拍子にマスクをとった顔を見る機会があると、「えっ!?この人はこういう顔だったのか」と思うことが最近あります。マスクをしていても、顔の半分は見えるのですから、その人がどういう顔をしているか想像できそうなものですが、意外とその想像がはずれるのです。
 私たちは日々様々なことに遭遇し、その時々で「理解」したり「判断」したりすることがしばしばあります。その際に、対象の一部を見て「理解」や「判断」をしてしまっていないでしょうか。その中には人に対する評価や出来事に対する理解などもあることでしょう。何事も「全体」を見ることは難しいですが、「一部」を見て判断することは誤解の可能性を常に孕んでいるいるのだと、頭の隅に置いておくことは大切であると思います。

校長ブログ(5/8)

5月5日・立夏 校長閑話

 

 みなさん二十四節気はご存じですね。季節の移り変わりを知るために1年を約15日間ごとに24に分けたもので、決まった一定の日ではなく1日程度前後することがあります。5月5日は立夏と呼ばれ、5日から20日までを指します。遊行寺の大銀杏は若葉に覆われ、1年生を迎えてくれた桜たちは、すっかり葉桜になりました。新緑のころに吹くさわやかな風を「若葉風」といい、初夏を感じます。立夏の前の節季は「穀雨」、後は「小満」といいます。季節を感じながら日々の生活のリズムをつくることによって、心が穏やかになります。失敗や不安は誰にでもありますが、心を豊かにして一歩また一歩と前に進んでいきましょう。みなさんが藤嶺で学んでいる「茶道」は大日本茶道学会のご指導によるものです。大日本茶道学会は令和3年、創立123年を迎えます。茶道でも季節感というものは大切にされていますので、授業の時に茶室にしつらえられたものから、感じられる季節感を探してみることもいいでしょう。

 これから、ますます若葉たちは緑を濃くしていきます。あっという間にその緑に覆われた陰が生まれ、人々の憩いの場所になります。新緑は「万緑」と呼ばれるようになるのです。「万緑」のことは、その時期になりましたら、再度触れたいと思います。

 さて、かつて、ゴールデンウィークに長野県の山小屋を尋ねたことがありました。その日は、5月4日のことでした。一緒に同行した先輩がこんな句を残していました。

 

   明日立夏 山毛欅(ブナ)がごくんと水を飲む    謙市 

 

 面白い俳句ですね。でも、新鮮で、初夏のはじまりに木々までも、躍動の気をみたしていくように感じられますね。山毛欅の木に耳を当てて、「ごくん」という音を聞いたのかもしれません。 

 

 今年のゴールデンウィークはいかがでしたか。コロナ感染「まん延防止等重点措置」が発出されていて、出かけることは難しかったかもしれません。時差通学・短縮授業が続いていく可能性は高いと思いますが、今まで以上に感染対策を徹底して、中間試験の準備を進めて下さい。

中学教頭ブログ(5/7)

 本校の学生食堂(藤嶺カフェ)の人気No.1メニューは「牛丼」だそうです。それに、定番のラーメン・カレーが続きます。今回のテーマは「牛丼」を取り上げてみましょう。

 私は、大学時代に2年間、今は無き「どんどん」という牛丼店でアルバイトをしていた経験があります。ですから、牛丼には少々うるさいのです。深夜のアルバイトということで、接客はもちろん、調理も任されていました。牛丼の質を左右するのは、もちろん「牛肉」ですが、美味しさに影響するのはそれだけではありません。大切なのは、こまめな「脂抜き」なのです。大きな鍋に大量の牛肉を投入して煮込んでいくわけですから、それ相当の「脂」が浮き出ます。「脂」が浮き出た状態で長時間放置すると、ギトギトした脂ぎった牛丼になってしまいます。これでは美味しくありません。

 アルバイトと言えども調理を任された以上、こまめな「脂抜き」を心がけたものです。

 私立学校も牛丼店と同じように「こまめさ」が求められていると思います。黒毛和牛には勝てないかもしれませんが、外国産牛肉でもこまめに脂抜きをして、より美味しい「牛丼」になるよう努力すべきだと思います。「吉野家」派、「すき屋」派、「松屋」派など、人それぞれ好みはあると思いますが、私は店名だけで決めない方が良いと思っています。

高校教頭ブログ(5/3)

「フェイクニュース」
 現在、大人はもとより、中高生のほとんどがSNSを利用しています。そのような状況の中で問題となっているのが「フェイクニュース(偽情報)」です。例えば、ネット上には新型コロナウイルスを巡り、科学的な根拠のない「フェイクニュース」があふれていると言われます。また、「フェイクニュース」により社会混乱が引き起こされる事例が海外ではあるそうです。「ネット上を歩く若者たち」にとって、今何が必要なのでしょうか?
 「フェイクニュース」対策として何より必要なことは、情報の真偽を見極める「ファクトチェック(事実検証)」です。「ん?」という情報があったら、情報源や発信時期を調べ、別の情報源に当たることが大切です。そして、「ん?」という感覚を養うには、多くのプロの目を経て作られる新聞を読む習慣やテレビのニュース番組を日常的に見ることなどによって、「判断の軸」を作ることが役立つと言われます。
 今後も「フェイクニュース」は増え続けるだけでなく、危険度を増していくことが予想されます。生徒の皆さんには、物事の本質を見抜く思考力や判断力を身につけ、活用する情報の精度を高めていってほしいと思います。

校長ブログ(5/1)

春から夏へ 5月5日・立夏を前に 校長閑話

    「朴の花」  ~初夏を告げる純白の花~

  100周年記念館の2階には、生徒の皆さんが憩いのスペースとして利用している藤嶺カフェがあります。外階段を利用する生徒が多いと思いますが、3階程の高さに九弁の白い大きな花が咲いているのに気づいていますか。これが朴(ほお)の花です。山林の花ですから、どんな訳で藤嶺学園の敷地で成長したのかは分かりません。しかし、私は毎年この朴の花の開花を楽しみにしています。蕾の時は、合掌をしているように見えます。開花すると両方の掌のひらを広げたように真上に向かって咲きます。下からは見えにくいことは確かです。葉は芳香があって、殺菌作用があることから朴葉寿司、朴葉餅などに使われています。落ち葉になっても比較的火に強く、朴葉みそや朴葉焼きと言った郷土料理の材料として使われています。また、花言葉は「誠意ある友情」と言われています。

生徒の皆さん、新学期から一ヶ月が経ちました。中学・高校1年生はクラスに友達ができた頃だと思います。仲がよくなることは良いのですが、ある程度、距離を置くことも必要です。「誠意ある友情」を育むために次のことを心がけてみましょう。

 ① respecting

      相手の意見や考えを尊重して、意見や考えの根拠や価値観に耳を傾ける

 ② suspending

      自分の意見の根拠や前提、確信する考えをいったん保留にしてみる

 「朴の花」も皆さんの成長と「誠意ある友情」を見守ってくれていると思います。 

 だいぶ以前の事になりますが、丹沢の方へ朴の花を見に行ったことがありました。雨がちらつく生憎のお天気でしたが、純白の朴の花を見つけることが出来ました。その時の思い出です。

   深山(みやま)朴(ほお)雨雲の日も花掲(かか)ぐ   健