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高校教頭ブログ(12/4)

11月の便り
 師走に入り「冬の寒さ」がいよいよ到来した感があります。
 毎年11月には、いわゆる「喪中はがき」が届き始めます。「喪中はがき」とは、「年賀欠礼状」「年賀状挨拶欠礼状」のことです。この1年のうちに近親者が亡くなり、「喪に服している最中なので、おめでたい新年のあいさつを控えさせていただきます。」ということをお知らせするために送られるものです。「喪(も)」とは、親近者の死後、その死を悼み、身を慎むために、祝い事や社交的な行動を一定の期間避けることです。
 「喪中はがき」の文面は様々ですが、「誰がいつ亡くなったか」を記してあることも多く、送られてきたはがきを読んで絶句することもあります。2年前…私の教育実習での指導教諭が66歳で逝去、去年…大学時代に同じ釜の飯を食べた同輩の奥さんが逝去、そして今年…高校時代の同級生の長女が30代で逝去。「無常の風は時を選ばず」…これは「風が咲いている花を散らすのに時を選ばないように、人の命もいつ果てるのか、まったく予測はつかないということ」です。若くして亡くなった方の無念、愛別離苦に苛まれるご家族を思うと胸が痛みます。師走の空気の冷たさが、心の中にも染み入ってくるようです。

中学教頭ブログ(12/3)

 師走に入り、今年も残すところわずかとなりました。お正月恒例の箱根駅伝の応援企画は自粛要請を受けて来年も中止となりました。テレビ中継での応援をよろしくお願い致します。

 さて、お正月料理と言うと、お雑煮と御節料理は欠かせません。黒豆、昆布巻き、栗きんとん、伊達巻、数の子、そして田づくりに紅白かまぼこなどが重箱に詰められます。「黒豆」はまめまめしく働くという願いを込めて、「数の子」はニシンの卵ですから、子孫繁栄を願っているそうです。御節料理の一つ一つの食べ物にはそれぞれ前向きな意味が込められています。デパートや通信販売のチラシを見ると、御節料理の平均的な価格は2万円程度のようです。新年を祝うための出費ですから、多少奮発して買い求める人も多いのではないでしょうか。

 コンビニ大手のローソンストア100では12月25日から「100円おせち」(税込108円)を販売するそうです。今年は「味付けアワビ」など3つの新商品が加わり、全40種類になります。なんと、殻付きのアワビが1つ丸ごと入って100円という価格は驚きです。アワビの価格が安い春先に買い付けをして、ゼリー工場を活用して製造することによって低価格が実現したそうです。

 私自身は、御節料理にはあまり関心がありません。かまぼこと栗きんとんを食べる程度です。特に、アワビ、ウニ、あん肝などの高級食材が苦手です。コリコリ食感の生のアワビを食べても全くおいしさが実感できないのです。ウニもあん肝もダメですが、今年は100円で購入できる「味付けアワビ」にはチャレンジしてみたいと思います。

高校教頭ブログ(11/27)

 私は鎌倉市西御門(にしみかど)という住居表示の地域に住んでいます。町内には「源頼朝公の墓」があり、このあたりの地名は、源頼朝公と関わりのある地名がいくつかあります。
  私が住む西御門という地名の由来は、鎌倉幕府の大倉御所(大蔵幕府)の西門があったことによります。正確には西門前を南北に通ずる西御門大路の北方の地域になります。『吾妻鏡』によると文治2年(1186年)正月五日に「美濃藤次安平西御門家」と記されているのが初見とのことです。
  西御門の東側に隣接する地域が「二階堂」です。地名の由来は、源頼朝公が奥州合戦後の鎌倉凱旋の際、中尊寺大長寿院の二階堂を模して、永福寺という二階堂(=二階建ての建物。当時、二階建ての建物はかなり珍しく、いわば「非常に立派な建物」を意味した。)を建立したことに由来するそうです。建久3年(1192年)11月25日に本堂が完成し落慶供養が行われましたが、応永12年(1405年)に焼失し、以後は再建されることはありませんでした。現在は「史跡永福寺跡」として整備され、往時の「浄土式庭園」が偲ばれます。
 西御門の南側に隣接している地域が「雪ノ下」です。地名の由来は、『吾妻鏡』によると、建久2年(1191年)2月17日に降雪が5寸になった雪見のため、鶴岡八幡宮を訪れた源頼朝公が佐々木盛綱らに山辺の雪を長櫃(ながびつ)に入れて夏に備えて貯蔵させたこととされます。地名は『吾妻鏡』の建保元年(1213年)正月四日が初見とされます。
 現在の西御門と二階堂、雪ノ下を比較してみると以下のようになります。

          面積      世帯数       人口

  二階堂  1.66k㎡   1,158世帯   2,713人

  雪ノ下   0.72k㎡   1,260世帯   2,800人
  
  西御門  0.33k㎡     402世帯   1,016人

 さて、その雪ノ下で先日殺人事件が起きたのです。バス通りから雪ノ下を通って私が住む西御門に通じる道はただ1本だけ……その道沿いの家で、78歳の男性が同居していた甥に殺されたという、何とも痛ましい事件でした。
 少々古い統計(平成22年版犯罪白書特別調査)ですが、殺人の被疑者と被害者との関係 は、約30%が「親族」となっています。関係が濃いからこそ「憤まん・激情」の感情を抑えられずに「殺人」という最悪の結果となってしまうことがあるのでしょう。仏教の戒律(仏教徒が守るべき生活規律)の第一は「殺生戒(せっしょうかい)」=「生き物を殺すこと、特に人を殺すことを戒める戒律」です。この「戒」が守られて、殺人事件という痛ましい出来事が少しでも減り、世に安穏が常住不断なることを願うばかりです。

中学教頭ブログ(11/26)

 11月24日に年末ジャンボ宝くじが発売されました。1等の当選金は前後賞を合わせると10億円。当選を夢見て、発売当日は徹夜組を含めて多くの人が列を作るそうです。時間をもてあましている人が多いことに驚きます。発売前の数日間、あまりにもジャンボ宝くじのテレビCMが頻繁に流れるので、その売上金の配分を調べてみました。

 令和2年度の宝くじの販売実績額は8,160億円。当選金として当選者に支払われた金額は3,839億円。この時点で、売上金の半分以上は当選金以外の目的に使われているのです。多くは、発売元である各都道府県および20の指定都市へ収められ、公共事業等に使われているそうです。よく、X線検診車両に「宝くじ号」と書かれているのを目にするのはそのせいです。そして、売上金の15% (1,226億円) が印刷経費や販売手数料として計上されています。おそらく、広告・宣伝費はこの中から捻出されているのでしょう。購買意欲を掻き立てるテレビCMが頻繁に流れるのも理解できます。

 宝くじを購入すればするほど社会貢献度が増すことに繋がります。宝くじの購入経験者は、男性が81%、女性が71%。やはり、男性の方が欲が深いようです。4人中3人が宝くじの購入経験があるのを知って、ちょっと驚きました。年齢による購入制限はないようですが、未成年者が当選した場合は保護者に当選金が支払われるそうです。ご注意ください。

 私は「ジャンボ宝くじ」には関心がありません。自分で好きな数字を選ぶことができないからです。つまり、「数字選択宝くじ」派ということです。実を言うと、過去に1度だけ当選したことがあります。宝くじを購入することで社会貢献しているという意識で買うと当たる確率が増すのかも知れません。

中学教頭ブログ(11/19)

 今回は、本校の修学旅行をご紹介します。毎年11月中旬に3年生は熊野古道を歩きます。今年は奈良県に一泊した後、大阪・四天王寺を起点にして時宗の開祖である一遍上人が遊行された和歌山県・熊野へと向かいます。二泊目は南紀白浜にて、三泊目は那智勝浦にある巨大ホテルに宿泊してマグロ料理を堪能します。そして、JR新宮駅から特急「南紀」に揺られ、名古屋を経由して戻ってくるルートです。

 2004年に世界文化遺産登録された熊野古道。発心門王子から中辺路ルートを約3時間かけて歩き、熊野本宮大社を参拝します。歩きながら、語り部(かたりべ)さんから熊野について学ぶ研修の旅です。本宮大社旧社地である大斎原(おおゆのはら)には、「南無阿弥陀仏」と刻まれた一遍上人神勅名号碑が建てられています。熊野と一遍上人とのつながりの深さを物語っています。

 熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)を巡る旅は、生徒たちにとっては退屈なものかも知れませんが、不満を言う生徒がほとんどいないのが不思議です。「黄泉がえり(よみがえり)」の地を訪れることで、いつもと違った空気感を感じ取っているからだと思います。私は今回で5回目の訪問となりますが、熊野が神聖な地であることを毎回肌で感じています。昔は大勢の人たちが訪れ、「蟻の熊野詣」と言われていた理由が理解できます。私の義父母は55年前に新婚旅行で熊野三山を訪れていたことを知って驚かされました。

 最終日は熊野速玉大社を参拝し、お土産に「もうで餅」を購入して列車に乗り込みます。「特急」とは言え、名古屋まで3時間以上の長旅です。松坂牛のお弁当を食べながら時間を過ごします。寝不足の人が多いせいか、帰路の車内は静けさが漂います。「特急南紀」は来年新型車両が登場するそうです。今年が最後のチャンスとなります。海岸線の景色を思う存分楽しんでほしいと思います。

高校教頭ブログ(11/18)

山井綱雄師テレビ出演

 本校OBの金春流シテ方能楽師山井綱雄さんが、明日21時から放映されるNHK Eテレ『にっぽんの芸能』に出演するそうです。(再放送:11/22(月)12時~)
 以下に山井綱雄さんのFacebookの投稿を転載します。

NHK Eテレ 11/19金曜日 21:00~
『にっぽんの芸能』に、出演させて頂きます!
ヴァイオリニスト桐山建志さんの奏でるバッハの名曲『シャコンヌ』にて、舞わせて頂きました。桐山さんの素晴らしい生演奏と、NHKの豪華な舞台セットで、至福のひとときでした。私は『シャコンヌ』にインスパイアされ、能「野宮」からのイメージで六条御息所 の世界を表現し、舞わせて頂きました。大変に緻密なカメラワークで、撮影して下さいました。どうぞご覧下さい!宜しくお願い致します。
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NHK Eテレ
にっぽんの芸能
ぐいぐい行くぜ、にっぽんの極み。
大江戸×バロック音楽 時空を超えたコラボレーション
初回放送日:2021年11月19日金曜日21:00~
再放送:11月22日月曜日12:00~
FM朝の人気番組「古楽の楽しみ」と「にっぽんの芸能」とのコラボレーション企画。
「古楽の楽しみ」で紹介されるのは、中世・ルネッサンスからバロック時代(1600~1750頃)を中心とした音楽。バロック時代の日本は江戸時代のはじめ、徳川幕府による鎖国政策がとられ、日本独自の文化が熟成されていた。当時交わることのなかった東西の音楽が、300年以上の時空を超えて、今宵新たな調べを紡ぎ出す。西洋音楽との比較で明らかになる、日本の音楽の独自性と魅力を再発見!
出演
砂崎知子(箏) 熊沢栄利子(箏) 野口悦子(箏) 細川真紀(箏) 高畠一郎(十七絃)
米川敏子(箏) 福原徹(笛)
大塚直哉(チェンバロ) 桐山建志(バイオリン) 高橋美千子(歌) 
市瀬陽子(バロックダンス) 山井綱雄(能舞)

中学教頭ブログ(11/12)

 11月10日、特別国会が召集され、第2次岸田内閣がスタートしました。今回の衆院選で初当選を果たした1年生議員たちがマスコミに注目されます。国会議事堂の開門は午前8時。6時過ぎから開門を待つ議員の姿をテレビが映します。議員の人たちにとっては絶好の知名度向上の場とあって、この待ち時間を宣伝材料に繋げます。

 新型スマートフォンの発売日にもテレビカメラが行列を追いかけます。予約販売にもかかわらず、一番乗りを目指す人たちがいるわけです。私には全く理解ができない光景です。誰よりも早く最新型機種を手にしたいのでしょうが、待ち時間のデメリットを考えると理解に苦しみます。

 時間の使い方はその人の性格や人間性を反映します。そして、時間の習慣は身体に染みついてしまいます。そう簡単には変えられません。遅刻ぎりぎりに登校しても平気な人、朝の小テストの前に水分補給を欠かさない人、チャイムが鳴らないことを理由に授業に遅れてくる人などメンバーは固定されます。

 本校の登校時間は8時30分。早起きが得意な生徒は7時30分過ぎに登校します。授業に向けて予習をする人、宿題が終わらずに焦っている人、勉強には関心が無く仲間たちとサッカーを楽しむ人など様々です。The early bird catches the worm.という諺がありますが、早過ぎるのもどうかと思います。目的があって意図的に早めに行動するのは問題ありませんが、周囲の人たちに迷惑をかけてしまう可能性があることも忘れてはなりません。

 「早過ぎず、遅過ぎず」が一番だと思います。他者からの信頼感が得られやすいからです。早過ぎるのは「自分勝手な人」だと思われ、遅過ぎると「自己管理できない人」と見なされる。時間の感覚のズレは結構厄介なものなのです。因みに、私は制限時間の20分前行動を心がけています。

高校教頭ブログ(11/10)

三日月
 先週11月5日(金)が「旧暦10月1日」で新月でした。したがって、11月7日(日)は「旧暦10月3日」で「三日月」……17時半過ぎの西の空に細~い月が見えました。そして、昨日11月8日(月)のお月様については、ウェザーニュース社のHPに「今日8日(月)は細い月と金星が大接近 日没後は南西の空に注目」という見出しの記事が載っていました。その記事は「日が沈むと肉眼で細い月と金星の大接近が見られます。南西の方角が開けた場所から、寄り添う月と金星の様子をお楽しみください。」ということでした。果たして……職員室の窓から体育館の屋根の上を見ると……見えました!記事の通り「寄り添う月と金星」でした!いつまでも見ていたい光景でしたが、やがて雲が広がり見えなくなってしまいました。
 お月様がまだ見えているときに、職員室に国語科のM先生がいました。M先生も月を見ていたので、「一首できた?」と訊くと、しばらくして月が隠れた頃に次の短歌を詠みました。

 辛くとも希望は捨てず悲しみも苦しさも越え蓮華を思ふ

 私がキョトンとしていると、「月隠れ(つきかくれ)です」とM先生は言うのです。再び私がキョトンとしていると……「辛くとも」の「つ」、「希望は捨てず」の「き」、「悲しみも」の「か」、「苦しさも」の「く」、「蓮華を思ふ」の「れ」……さすが国語の先生!さすがM先生!あっぱれでした。

高校教頭ブログ(11/6)

GAFA

 以前は「GAFA(ガーファ)」と耳にしても何のことだろうという感じでしたが、最近は巨大IT企業である「Google,Amazon,Facebook,Apple」のことだとわかる人が多くなりました。パソコンやスマホの利用者で、GAFAのどこにもお世話になっていない人は恐らくいないでしょう。私自身は……大なり小なり4つともにお世話になっています。なぜ非常に多くの人がGAFAのお世話になっているかというと、「利便性」「高性能」「人的交流の活発化」「収益アップ」など人それぞれに理由があると思います。しかしながら、そのメリットとデメリットは表裏の関係であり、特にプライバシーに関しては心配な面があるようです。例えば、先頃報道されましたが、メタ・プラットフォームズ(旧: Facebook,Inc.)は、フェイスブック上で写真や動画に写っている人の顔を自動的に識別する顔認証の機能について、プライバシーに配慮して近く廃止するということです。
 詳しくは以下のようになります。

 フェイスブックでは蓄積されている膨大なデータをもとに、写真や動画に写っている人の顔をAI=人工知能で自動的に識別してタグ付けすることで、他人が投稿した写真に自分が写っている際に通知されるサービスを提供してきましたが、利用者の間でプライバシーの侵害にあたるという懸念が強まっていることなどを受けて、会社は「利用を制限することが適切だ」として、顔認証の機能を今後数週間以内に廃止するとしています。これに伴って顔認証のために蓄積されてきた10億人以上のデータは削除されるということです。

 このことからも、巨大IT企業がいかに膨大な情報を集めていて、それを利用しようとしているかがわかります。GAFAとともに暮らしていく私たちは、「情報リスク」についてある程度覚悟しなければならないということなのでしょう。

中学教頭ブログ(11/4)

 11月3日の文化の日に、全日本剣道選手権の模様がテレビ中継されました。全国から予選を勝ち抜いた64名の選手がトーナメント方式により優勝を目指しました。鹿児島県代表の星子啓太選手が初優勝を勝ち取りました。決勝戦を見ていましたが、一瞬の攻撃に判定を下す審判の難しさに感心させられました。どちらが勝ったのか、素人の私には全く判断がつきませんでした。勝敗にこだわる必要性をあまり感じなかったというのが本音です。

 「剣道はスポーツではありません。なぜなら、競技として勝ち負けを争うのではなく、礼儀作法や伝統文化を踏まえて修行に努めるものだからです。」これは剣道という武術を解説する記事の一節です。本校の中学生は、高校2年生までの5年間にわたり剣道を学びます。剣道の技術を学ぶと言うよりも、礼儀作法を学び、精神を育むと言った方が正しいかも知れません。

 本校の剣道部の活躍を紹介します。10月30日に藤沢市中学校新人大会が行われ、男子団体戦で準優勝を果たしました。決勝戦で惜しくも僅差で敗れてしまいましたが、見事な結果です。12月に行われる湘南ブロック大会に向けて修行に励んでもらいたいと思います。武道の精神は勝利至上主義であってはなりません。剣道が生徒諸君の人格形成に役立っているものと確信しています。