桐光学園 小学校 / 神奈川県川崎市の私立小学校

神奈川県川崎市の私立小学校【桐光学園 小学校】

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サイのお話から(4~6年生 講演会)

2022年7月15日 (金)

 昨日の朝、校長室から子どもたちの声が聞こえてきました。お絵描きをする子、折り紙を楽しむ子、動く電車のおもちゃで遊んでいる子。こんな風に、桐光小の校長室は気軽に立ち寄れるみんなの居場所です。「この本に出てくるサイはね・・」と、一冊の本を眺めながら、校長先生と話をしている男の子たちもいました。本のタイトルは『このせかいからサイがいなくなってしまう - アフリカでサイを守る人たち -』です。
 
 この本の著者である味田村太郎さんは、桐光学園中学校・高等学校の卒業生。そんなご縁から、小学校で4~6年生を対象に講演会をしてくださいました。NHKの記者として、アフリカ30ヵ国で取材をされてきた味田村さん。豊富な経験に基づく興味深い話を聞かせてくださいました。

 絶滅の危機が迫るアフリカの「サイ」のお話が、昨日の講演会のテーマです。角を取るために密猟される実態と、それに立ち向かうレンジャーのお話からは、耳を疑いたくなるような現実が見えてきました。母親を奪われた子どものサイが密猟者に立ち向かっていき、いずれは殺されてしまうというお話。密猟者に角をとられて負傷したサイを、獣医師たちが懸命に治療をするお話。いずれも、子どもたちは目を丸くして聞き入っていました。

 「密猟者に会ったことはありますか?」講演会の最後に、そんな質問を投げかけた子がいました。味田村さんはこう答えてくださいました。
 —記者として、両者の立場からのお話を聞くことが大切です。そこで、レンジャー・密猟者 両方の思いを聞きました。密猟者には「働きたくても仕事がなくて家族を養えない」などの動機や理由がありました。―
 味田村さんも強調されていましたが、貴重な野生動物を傷つける密猟はけっして許されないことです。しかし、この問題がそう単純ではないことも分かります。教育、人口増加、貧困、不平等など、世界にある様々な課題がそこにあり、密接に関わっていることが見えてきました。

 今回の講演を通して、子どもたちは何を感じ、どんなことを考えたでしょうか。事実を知ることは、世界に関心を持つきっかけになります。地球上に生きる一人として、自分にできることは何なのか? そんなことを考えるきっかけになる、貴重な学びの場となりました。

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