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中学教頭ブログ(12/10)

 今年の新語・流行語大賞は「リアル二刀流/ショータイム」に決まりました。大谷翔平選手の活躍は、野球に興味のない人にとっても大変うれしいかぎりです。大谷選手を将来の夫にしたいと考えている日本人女性が何人いるのか、アンケート調査でもしてみたい気持ちです。

 本校硬式野球部のOBにも二刀流で活躍している選手がいることをご存じでしょうか。日本体育大学3年生・矢澤宏太選手です。来年のドラフト候補No.1に挙げられているようです。球速は150km、50m走は5秒80の俊足で、打順は4番。優れた才能の持ち主であることは間違いありません。本校在学中も注目されていた選手でした。甲子園出場を想定して、準備を進めていたことを思い出します。

 しかし、3年前のドラフト会議は思い出したくありません。多くの報道陣が100周年記念会館に集まり、矢澤選手の指名を待ち構えていたのです。学生食堂に集まった教員も生徒たちも矢澤選手が指名されることを疑いませんでした。問題は何位に指名されるかだけだと思っていました。新聞社の方も太鼓判を押していたのです。

 一巡目、二巡目、三巡目とドラフト会議が進行していきます。矢澤君の名前が呼ばれません。高校生選手だから、上位指名は無理なのだろうと高をくくっていました。進行役の人の声が胸に突き刺さります。六巡目が終わる頃になると、「読売・・・選択終了!」の声が会場内に響き渡るのです。ため息が漏れます。あの時ほどドラフト会議の残酷さを痛感したことはありません。結局、矢澤選手は指名されませんでした。取材陣が残ったまま、ご両親とともに挨拶をされました。4年後には1位指名されるよう、全力を尽くすとの決意を表明してくれました。自然と涙がこぼれ落ちたのを覚えています。

 来年のドラフト会議では、たくさんの球団から1位指名された矢澤選手の笑顔が見られることを願っています。そして、第二の大谷翔平をめざして日本のプロ野球界を盛り上げる存在になってくれるものと信じています。みなさんの応援よろしくお願いいたします。

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