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校長ブログ(6/4)

応援される人

 4月5日の中学校入学式の式辞の中で、私は「応援される人になろう」と呼びかけました。それに続けて「応援される人ってどんな人でしょうか?それは、一生懸命な人、素直な人、正直な人、仲間を励ますことができる人、お互い様って思える人、などでしょう。これから皆さんは、勉強も、部活動も、大学進学もいろいろとチャレンジしていくことがあります。その時には、壁にぶつかったり、悩んだり、途中でやめたくなったり、時に困難にぶつかることと思います。そんなときに、誰かに応援されると元気が出たり、頑張ろうと思えたりするのです。だから、応援されるってとっても大切なことなのです。応援される人を自分なりに模索して、是非とも応援される人になって下さい。」と述べたのです。
 先日(6/1)、将棋の藤井聡太さん(20)が、第81期名人戦七番勝負を制し、史上最年少名人と7冠を達成しました。藤井聡太新名人については、「精神面でも成長著しい藤井竜王。強さと品格を兼ね備えた名人となった。」(読売新聞)、「今も表情にあどけなさを残す20歳。謙虚な姿勢を貫き、他者への敬意を忘れず、いつも穏やかに笑っている。」(朝日新聞)、「史上初の8冠制覇にも王手をかけたが、「まだまだ遠いもの。少しでも近づけるように頑張れたら」と謙虚に語った。」(サンスポ)と報じています。
 20歳の若者が、将棋八大タイトルのうち7つを手にしたら、自分の強さを鼻にかけたり、驕り高ぶってしまったり、周囲への敬意を忘れてしまったりということがありそうなものです。そして、強すぎるが故に「アンチ」の立場の人々の顕著な存在が認められるものですが、藤井さんにはそのような存在はないようです。それどころか、どのマスコミも「謙虚」や「品格」や「敬意」という言葉を並べて藤井聡太さんを褒めています。すなわち、藤井さんは正に「応援される人」なのです。偉ぶることなく、相手への敬意を忘れず、勝っても負けても課題を見いだしてさらなる向上を目指す……だからこそ、谷川浩司十七世名人も羽生善治九段も、そして今回のニュースを目にし耳にしたすべての人々が、藤井さんへの賞賛を惜しまないのです
 「応援される人」になるのは、難しいことかもしれません。しかし、もしかしたら「応援される人」になろうとする努力こそが、応援される要素なのかもしれません。

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