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校長ブログ(4/17)

桜 2023 ②

 今年のこの周辺の「桜」は、そろそろ終わりを迎えています。3月中旬頃の「開花はいつ?」の話から始まり、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、八重桜など、毎日毎日テレビの映像で各所の「桜中継」があり、また、われわれは人と会うとこの時期だけは天気の話題ではなく、桜の話題が「挨拶代わり」となっていました。私の夜のウォーキングコースにある鶴岡八幡宮参道の「段葛」は、平成の大改修から9年がたち、すべて植え替えられた桜の木はかなり大きくなり、今年の満開時には見事な「桜のトンネル」になりました。また、すべての木の下にライトアップ用ライトが装備されていますので、その効果も抜群で、夜桜見物の人々を楽しませてくれました。そして、今、段葛はツツジの満開を迎えていますが、「夜ツツジ見物」の人は皆無です。
 歌僧西行法師に次の和歌があります。
花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける(西行)
この和歌で詠まれたような状況を今は懐かしくさえ思います。
 さて、桜は、開花から満開までが約1週間、満開から散るまでが約1週間ということですので、開花から散るまで約2週間となります。すなわち、桜は1年間のうちわずか2週間花を咲かせるために、残りの350日間を全力で過ごしているのです。桜花が散るとすぐに極めて多くの緑の葉が生い茂り、8月いっぱいは日の光を存分に浴び、光合成で得られた栄養分をせっせと幹や枝や根にため込み、9月以降徐々に葉を落として冬に備え、寒い冬にはその栄養分を熟成させ(非科学的記述)、ひたすら無言でじっと春を待つのです。何と健気な桜の日々の営みではありませんか。ビジネス界を始めたとして現在は「最小限の努力で最大の効果」を追求する風潮があります。しかし、かつての薬師寺貫主高田好胤師は「最小の効果のために最大の努力を惜しまない」とおっしゃっていました。桜の営みを考えると、好胤師のこの言葉を思い出すのです。
 いろいろなことにチャレンジをしている生徒の皆さん、「最小の効果のために最大の努力を惜しまない」からこそ、時として最大の効果も得られるのです。頑張りましょう!

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