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高校教頭ブログ(7/27)

世襲

 政界でときどき話題になることに「世襲議員」とか「二世議員」があります。その意味は「親や親族が議員で、その政治地盤や資本などを受け継いで議員となった人」であり、先日凶弾に倒れた安倍晋三元首相も「世襲議員」でありました。「世襲議員」の場合、政治家の家庭で育つことから早くから政治に目覚め若いうちから実績を積むのには有利であるが、一方、既存政治家と縁戚関係がない人材の立候補を事実上妨げているという批判もあることは事実です。
 さて、私は言うなれば「世襲僧侶」ということになります。鎌倉市西御門来迎寺の住職をしていますが、寺としては四十七代目の住職、林家としては世襲三代目になります。今では「お寺は世襲」が共通認識となっていますが、さかのぼれば、明治5年の太政官布告により「僧尼令廃止、肉食妻帯(にくじきさいたい)は自由」となったのです。ですから、「世襲」になっているお寺は現在まだ三代目とか四代目なのです。
 「世襲僧侶」にももちろんメリットはありますが、「寺を承継するだけのために僧侶になる」というデメリットもあるでしょう。すなわちそこには「発菩提心(ほつぼだいしん)」が欠けているのです。
北鎌倉に「臨済宗円覚寺派大本山円覚寺(鎌倉五山第二位)」があります。こちらは大本山ですから世襲ではありません。住職は「管長」と呼ばれ、「選出された、任期のある地位」です。現在は横田南嶺老師が管長に就いています。横田老師は、何と私と同じ年齢!!!しかし、僧侶としては天と地の差があると言わざるを得ません。私より人間的に何倍優れているかはさておき、横田老師はまったくの「在家」の出であり、「強烈な菩提心を起こして」仏門に入られたことが、私とまったく違うのです。
 長い夏休みです。順調に過ごせる人が多いとは思いますが、「毎日がどうもうまくいかない」「思い悩むことがある」「心の整理ができない」などの人は、YouTubeで「毎日の管長日記と呼吸瞑想~臨済宗円覚寺派管長横田南嶺老師」を見て下さい、聞いて下さい。1回約10分、7/23時点で「第563回」となっています。きっと心が落ち着く回があるはずです。
 最後になりますが、8/15までは施餓鬼法要やお盆棚経で僧侶はかなり追い詰められます。私も例外ではありませんので、8月1週目・2週目の「高校教頭ブログ」はお休みします。悪しからずご了承下さい。

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