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高校教頭ブログ(5/25)

千里同風

 バイデン米大統領が5/22~5/24の3日間、日本に滞在しました。大統領は、日本に滞在中、岸田文雄首相との日米首脳会談、日米とオーストラリア、インドの4カ国(クアッド)首脳会議に臨むなどしました。
 来日2日目に行われた日米首脳会談のあと、港区の「八芳園」にて非公式の夕食会が開かれました。その夕食会に先立って行われたのは……日本のファーストレディである裕子夫人の参加者に対してのお茶(茶道)でのおもてなしでした。これは、岸田首相の「日本の美を伝えたい」(官邸関係者)との意を受けた裕子夫人が、和服姿で茶の湯の点前(立礼式)を披露し、バイデン氏をもてなした、ということなのです。
 「日本の美」=「茶の湯」は、岸田首相だけが思っていることではないでしょう。多くの日本人が首肯することであると思います。「人をもてなす際に現れる心の美しさ」は、もてなされる側の心をも清らかに美しくする力があり、そして、その瞬間が、茶室という華美を排した小さな空間に訪れたときに究極の美が実現し、人は心揺さぶられる感動に包まれるのです。
 藤嶺藤沢では、生徒全員が茶道を学んでいます。茶道というものが、いかに気高く清らかであり、いかに崇高であり、いかに自利利他の心に満ちているのかを、バイデン大統領来日を機に私自身も再認識した次第です。
 ちなみに、茶の湯でおもてなしをした際に掛けられたお軸は「千里同風」でした。その意味は「遠隔の地にも近くにも同じ風が吹く意から、天下がよく治まっている太平の世」ということです。現今の世界情勢に照らしてこの句が選ばれたのでしょう。

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