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桜 さくら サクラ ②

 東京、横浜の桜は「満開宣言」が出ていますが、藤沢・鎌倉の桜は八分咲きあたりでしょうか。4/5の入学式に、新入生を迎える桜が遊行寺境内や校内敷地に咲いていることを祈ります。
 さて、毎年この時期になると、ニュースでは毎日のように桜前線北上の様子や各地の見事な桜の映像が報じられます。また、通常は挨拶代わりに天気の話をよくしますが、この時期は桜の話題になることが多いです。このように、桜はこの時期の日本人の心を「悩ませる」のです。
 平安時代の西暦900年代初頭に編まれた「古今和歌集」に次の和歌があります。

   世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

 これは在原業平(平安時代前期の貴族・歌人)の和歌で、この時期に人の心がいかに桜に翻弄されるかを詠んだものです。解釈は「この世の中にまったく桜がなければ、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょう。」です。(「せば~まし」=「反実仮想」)
 私の夜のウォーキングコースには、鶴岡八幡宮前の「段葛」があります。夜9時になるといつもは閑散としていますが、この時期だけは夜桜見物の人の波……「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と私はつぶやくのです。

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