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2020年4月15日 (水)

ビートルズと英語

 今と違ってオンライン英会話もなければ、ネイティブの先生がいるわけでもなかった少年時代の話です。どういうきっかけがあったのかは分からないのですが、毎週土曜日の午後、テレビでビートルズの映画を続けて放送していた時期がありました。

 『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』(『A Hard Day's Night』の日本題です)『Help!』『レット・イット・ビー』などと一緒に『イエローサブマリン』も放映されました。

 他の映画と違って、『イエローサブマリン』はアニメーションなのです。その中に登場するキャラクターとしてビートルズの四人が登場します。子どもながらに分かりやすかったのか、それまで目にしたことがないような西洋風の(今ならばサイケデリックなという言い方も分かるのですが)画風にとても魅力を感じました。

 親にねだってレコードを買ってもらい、小さい頃から童話のレコードを聞いたりするのに使っていたレコードプレーヤーで聞いていました。好きになった曲は、ギターの軽やかなリズムで始まる『オール・トゥゲザー・ナウ』という曲でした。しかし、不思議なことがありました。

 歌詞が書かれているプリントには、その歌の題名が『All Together Now』と書いてあります。その横にカタカナで「オール・トゥゲザー・ナウ」と書いてあります。英語を習ったことのない当時の私でも、その英語の発音が「オール・トゥゲザー・ナウ」なんだろうという予想はつきました。

その歌の繰り返し部分に何度もAll together now.と書かれています。今でもはっきり覚えているのですが、その部分を何回聞いても「オン・ピ・ゲベナ」としか聞こえないのです。

 なにかの間違いなのかと思いました。歌詞を目でたどりながら、何回も聞きました。

 そうやってどれくらい繰り返し聞いたでしょう。1ヶ月?2ヶ月くらいかも知れません。ある瞬間に、本当にさっきまでは相変わらず「オン・ピゲ・ベナ」としか聞こえなかったのが、「オール・トゥゲザー・ナウ」と聞こえたのです。

 それが私と英語との出会いだったように思います。その出会いから始まりはしましたが、なかなか長い山道が続きます。

 中学生になって「beautiful」という単語が覚えられなくて、明日の単語テストまでになんとか覚えなければいけないと、ノートに何ページも繰り返し「beautiful 、beautiful 、beautiful」と書きました。じゃあ、書いてごらんと横にいた親に言われて、やっぱり書けなくて呆れられたり。

 だから英語は片思い、私は英語が好きなのに、英語が私を好きじゃない。そんなふうに思いながら大学生になるまで、ずっと学校の英語の勉強はしてきました。でも、一度も教室の外で英語を話したことはありませんでした。

 シカゴからやって来た留学生のチューター(バディみたいなものです)になって初めて英語を話したのは、25歳を過ぎていたとか、しかもそれは彼女がシカゴに帰る前日になって初めてだったとか(それまでは1年以上日本語でしか話せませんでした)とか、そんな話はまた別の機会に。

Earphone_music_couple