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2020年4月14日 (火)

オンライン授業(トライアル)

 久しぶりにオンラインで児童のみなさんの顔を見ることができました。その後、先生たちと、やはりオンライン上で振り返りをしたのですが、誰もが言葉を揃えて、「元気をもらいました!」と言っていました。みんなもそうでしたよね。友だちの顔、先生たちの顔、その笑顔を目にすることでどれだけ励まされたことか。

 かつてはそれは手紙に書かれた文字だったのかも知れません。電話で声を聞くことで安心したのかも知れません。もっと言えば、そんな連絡手段もない場合には、この世にその人が確かに存在している。ひょっとしたら、たったそれだけのことだけを頼りにして自分自身を励ましていた人もいるのかも知れません。今、私たちが恵まれていると思うのは、ああやって顔を見ながら声を聞くことが出来るということです。

 あなたが誰かの笑顔で励まされたように、あなたの笑顔も誰かを励ましていた。

 今、この特殊な世界の中にあって、私は今 感じている色々なことをしっかり覚えておこうと思っています。

 その中のひとつ、あなたの笑顔が私を励ましてくれていたということ。きっと私の笑顔も誰かを励ましていたのだということ、それはしっかり覚えておかなければならないことだと思っています。私の笑顔が?…これはうぬぼれているということではなくて、おそらく神様への感謝につながっていくような気持ちです。

 時に私は、自分のことを嫌いになってしまうことがあります。なんでこんなことができないんだろうとか、こんなふうでいたいっていう自分と、実際の自分の姿との違いにがっかりしてしまい、落ち込んでしまう。でも、そんな私だってきっと誰かを微笑ませていたのかも知れない。自分を大切にしないということは、他人を大切にしないということだから。なぜなら、こうやって私が「あなたの笑顔に励まされたんだよ」と書いた時、あなたが「そんなことないよ、自分なんてダメな人間なんだよ」と言って、投げやりな気持ちで行動するのを目にしたら、私はとても悲しい思いをするでしょう。

 あんなに励まされたのに。涙が流れるほど嬉しかったのに。

 だから、ひとりひとり、みんな元気でいてくださいね。家にいて、手を洗いましょう。

 最近読んだ記事で驚いたのは、人間が石鹸で手を洗うということを覚えたのは、19世紀に入ってからのことだそうです。それまではお医者さんや看護師さんも、手術を終えた後、手を洗わずに次の手術をしていたんだそうです。

(『新型コロナウイルス後の世界―この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる』ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳http://web.kawade.co.jp/bungei/3473/ )

 私たちは知識を持っています。技術も持っています。ウィルスは目に見えないから怖いけれど、石鹸で手を洗うことで取り除くことが出来ることを知っています。家にいて、人と距離を取ることで感染を避けられることを知っています。

 そして、ああやって離れていても顔を合わせることが出来る、そしてそのことでパワーを、エネルギーを分け合えるということを知っています。

 また会いましょう。すぐにね。

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 人は空気によって隔てられているけど、空気によってつながっているとも言える…と言ったのは、誰でしたっけ?