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2020年9月30日 (水)

ハーモニースペース

先日、ある保育園の園長先生のお話を伺う機会がありました。

その保育園には「ハーモニースペース」という場所があるんですよとおっしゃっていました。

「ハーモニースペース」という言葉からは、ほのぼのとした雰囲気、子どもたちが肩を並べて、青空を見上げているようなムードがありますが、その場所はそうではありません。子どもたちがケンカをした時に、その「ハーモニースペース」で解決を図るのだそうです。

園長先生は「ひとりひとりが音を出すことは大切なことで、その音をハーモニーにすれば良いんです」とおっしゃっていました。

私たちはともすれば、ケンカをしている子どもたちに経緯を聞いて「それは◯◯ちゃんが悪いんじゃない?謝りなさい」ってつい言ってしまうんじゃないか、そんなお話もされていました。

そこで思い出しました。ベルギーに移住して、その地で結婚し子育てをしている友人から聞いた話です。

「ベルギーで驚いたのは、幼稚園で子ども同士がおもちゃの取り合いをして、ケンカになったりすることってあるでしょ?こっちではそんな時でもまず『このおもちゃで遊びたいって自分の気持を言うのはとっても良いこと』ってまずほめるんだよ。それから『でもね…』って解決に向けて介入して行くんだ」…。

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それはベルギーの話で、日本ではそうじゃないと思ってしまうかも知れません。でも、そこにはこれからの子どもたちが、将来に活かすスキルを身につけるヒントがあるように思い、覚えています。

「ハーモニースペース」を作ってらっしゃる保育園でも、まず「音を出すこと」つまり、対立を生むためには、まず自分を主張することを認めているんじゃないかと思いました。

学校というところは、色々な練習の場所だと思っています。本番は学校以外の場所、下校した後、卒業した後、どんなマインドセットで暮らすのかが大事なんだと。ところがその練習の場所で、困ったことが起こらないように、大人たちは先回りしてしまうのではないかと。

学校で学ぶべきは「問題回避」の手法ではなくて、「問題解決」のそれだと改めて思いました。

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そんなことができる「ハーモニースペース」が、「ハーモニーシート」でも良いですね、あると良いなと思いました。